シンクタンクのお仕事紹介
- 2020.02.02
- コンサルタントのお仕事 シンクタンク

こんにちは!オクトパス足立ですー!
今日は最初の投稿シリーズということで、シンクタンクとコンサルティング業界のお仕事について、紹介していきたいと思います。
私自身は新卒の際はシンクタンクに入社しています。現在は外資コンサルに転職してしまいましたが、3年間若手シンクタンカーとして勤務してきました。
シンクタンクは比較的地味な業界なので、特にシンクタンクどんな仕事をしているのか?所謂外資コンサルとの違いは何なのか?等ネット上にも情報が少なく、私自身新卒採用の際の情報収集に非常に苦労しました。そこで、私の実際に働いた経験をもとに、シンクタンクのお仕事について紹介していこうと思います。
シンクタンクって何?
そもそもシンクタンクって何なのか明確に定義することは非常に難しいです。ちらっとWikipediaを覗いてみたところ、
シンクタンク(英語: think tank)は、諸分野に関する政策立案・政策提言を主たる業務とする研究機関。
シンクタンク、政策研究所、研究機関は、社会政策、政治戦略、経済、軍事、技術、文化などのテーマに関する研究とアドボカシーを行う組織であるが、こうした政策機関はほとんどが非営利団体であり、米国やカナダなどの一部の国では非課税状態。他のシンクタンクは、政府、 擁護団体 、または企業によって資金提供されているか、またはプロジェクトに関連するコンサルティングや研究活動から収益を得ている。
直訳すると、頭脳集団。よって、頭脳集団という意味での民間企業も多くある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF
とありますが、あまりピンと来ませんよね。
日本における所謂シンクタンクは「xx総合研究所」という名前がついている民間企業を指すことが多いと思います。三菱総合研究所、野村総合研究所等が有名ですね。ただ、シンクタンク業界の面白いところは、同じ業界であってもその仕事内容が会社、組織によって全く異なってきます。同じ業界なのに、仕事内容がバラバラなので、外からみたら分かりにくい訳ですよね。今回はシンクタンクの業務についてカテゴリー分けして解説していきましょう。
システムエンジニアとコンサル・リサーチ
シンクタンクの組織は主に、システムエンジニアとコンサル・リサーチの2部門に分かれていることが多いです。野村総研や、日本総研のパターンですね。採用人数を見てみると、新卒数百人のうち、9割方がシステムエンジニアで、残り1割がコンサル・リサーチとなります。私自身は、コンサル・リサーチ側として勤務していましたので、今回システムエンジニアについての説明は割愛させていただきます。(こちらはネット上にたくさん情報ありますしね)
ちなみに、「シンクタンクならコンサル業務もやっているし、コンサルとコラボレーションできてすごそう!」と思うかもしれませんが、実態はエンジニアとコンサルのコラボレーションはほとんどないですね。
私自身、システムエンジニアとコンサル部隊とで協同してプロジェクトを行うケースはほとんど見たことがありませんし、他社も同様だと思います。
新卒研修のときは一緒に座学をしますが、その後は同期であったとしてもほとんど関わらなくなってしまいました。
「システムエンジニアとコンサル・リサーチを別会社にしたほうが良いのではないか」という意見も社内では出ますが、システムエンジニアだけ切り出してしまうと、ブランディングが難しくなり、人が取れなくなるためやらないそうです。「xx総研」ならかっこいいですが、「xxシステムズ」にしてしまうと、単なる中堅SIerになってしまいますからね。
採用担当の人事の人はシステムエンジニアとコンサル・リサーチでコラボレーションできます!強化していきます!と言うかもしれませんが、あれは採用戦略の一貫で言っているだけで、あまり本気にしないほうが良いでしょう。
コンサル・リサーチの仕事のパターン
コンサル・リサーチ業務と一言で言ったとしても、会社によって業務内容はかなり違います。今回は対応する顧客属性によって3つにカテゴリー分けしてみました。シンクタンク各社によって、実施しているカテゴリーや注力している割合が異なるので、どの会社がどこに強いかは慎重に見極めていく必要があります。
見極めが甘いと、民間コンサルがやりたかったのに、官公庁向けリサーチ部署に配属されてしまう等、ミスマッチが発生してしまうので気をつけましょう。
- 公的機関向けリサーチ
- 民間企業コンサル
- グループ企業向けリサーチ
公的機関向けリサーチ
総務省、経済産業省等の中央省庁や、東京都等の自治体向けにリサーチ業務を行います。リサーチテーマは各省庁の気にしていることになりますので、自分の好きなことを調べられるわけではありません。これは大学の研究者とは違いますね。どんなテーマが出てくるかは、国の方針と予算によって変わりますので、時代を先取りして自分の専門性を磨いておく必要があります。
リサーチの内容は各省庁から仕様書で規定されます。例えば、「1万人にアンケートをする」、「有識者20人へインタビューをする」等が既に指定されているので、アンケートの設問やインタビュー先を工夫していきます。ここが他社との差別化ポイントですね。
また、単に調べるだけではなく、検討会の運営が仕様に入っていることが多いです。数十人のメンバー(偉い人)を集め、アジェンダを設定して議論をしてもらいます。日程調整や会場や飲み物の確保等雑用系の仕事もあり、若手はこの辺を担当することも多いです。正直面倒くさいですね。
この分野で強いシンクタンクは三菱総合研究所ですね。コンサル・リサーチの中でも8割程度が官公庁リサーチです。この他、日本総研、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ情報総研等があります。
民間企業コンサル
シンクタンクの中でも、民間企業向けのコンサルティングサービスを提供している部門があります。企業の経営戦略と作成したり、新規事業を立案したりと外資コンサルに近い業務を行います。一方で、環境問題や社会問題など、社会課題の解決の観点から民間企業へのコンサルティングを行う機会もあり、こちらはシンクタンクならではですね(社会課題系のプロジェクトは会社の売上に直接結びつくわけではないのであまり儲かりませんが。。。)。
この分野で強いシンクタンクは野村総合研究所ですね。コンサル・リサーチの中でも8割程度が民間企業へのコンサルではないでしょうか。コンサルティング業務を行いながらも、外資系企業よりも労働環境がゆるく、ユニークな人が多い印象です。
グループ企業向けリサーチ
最後はグループ企業向けのリサーチ業務です。シンクタンクはもともと金融機関が母体となっていることも多く、母体となる金融機関向けにリサーチ業務をすることもあります。
海外展開する場合の市場動向調査や、シェアリングエコノミー等の振興市場の調査等、母体企業の企業戦略と関連のあるテーマのリサーチが多くなるでしょう。金融機関の融資先企業のコンサルティングに入ることもあります。
大和総研やみずほ総合研究所等がこのパターンですね。
ちなみに、高度に専門性が必要な案件は母体企業も予算をかけて外部のコンサル・リサーチ会社にお願いしてしまいますので、社内営業活動は必要です。
以上、シンクタング業界についてざっくりと理解いただけたのではないでしょうか。会社によって得意な業務内容がかなり変わってきますので、自分の志向性とマッチしたシンクタンクを探しましょう!
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